雨や雪などから大切な衣類を守るには、撥水加工クリーニングがおすすめです。
わざわざお金をかけて撥水加工をしなくても、防水スプレーをすれば良いと思う方もいるかもしれません。
しかし、撥水加工クリーニングにはお金をかける分、市販のスプレーでは得られないメリットや効果があるのです。
ここでは、撥水加工クリーニングについて解説します。
目次
撥水加工クリーニングとは
撥水加工クリーニングとは、水を弾く働きを持つ成分を衣類の表面に付着させ、コーティングするというオプションです。
撥水加工で使われるのは、フッ素系樹脂やシリコン系樹脂などの成分です。
これらの成分でコーティングをすると「撥水基」という無数の小さな突起が、衣類の表面に作られます。
突起物は水の分子よりも小さいので、コーティングをすることで水が生地に入り込めなくなり、水を弾きます。
市販の撥水スプレーとの違い
市販の撥水スプレーにも水を弾く成分が配合されていますが、クリーニングではプロ用のコーティング剤を使用しています。
また、特殊な機械によって衣類に噴霧することができるうえに、仕上げには熱処理を行なって撥水成分をしっかり定着させます。
ただスプレーをするだけではムラになってしまいますし、撥水成分は付着するだけで定着しないため、撥水スプレーと比べると撥水加工クリーニングは効果が格段に高いのです。
撥水加工クリーニングをするメリット
撥水加工クリーニングはオプションサービスなので、普通のクリーニング料金よりも高くなります。
しかし、その分得られるメリットがあるので、汚したくない大事な衣類がある方はチェックをしておきましょう。
衣類のシワや縮みを防ぐ
撥水加工をすることで、衣類のシワや縮みを防げるというメリットがあります。
シワや縮みというのは、洗濯による摩擦などが原因となっています。
特にシルクやウールなどデリケートな素材はダメージを受けやすいため、洗濯方法を守っていてもシワや縮みが起こりやすいのです。
シワや縮みを防ぐのは撥水加工が持っている効果ではありませんが、加工をすると洗濯の回数を減らせるので、大事な衣類をいつまでも綺麗に着ることができます。
汚れが付きにくくなる
撥水加工というのは、水だけでなく汚れを弾き、付きにくくする効果もあります。
汚れにも水溶性のものや油性のものがありますが、どちらにしても水分を含んだ汚れであれば弾くことができるのです。
ミートソースが跳ねても、コーヒーをこぼしてしまっても、撥水効果によって弾かれるので、軽く拭くだけで汚れを落とせます。
食べこぼしや飲みこぼしにすぐに気がつかなかったとしても、汚れが衣類に染みこまないので、多少時間が経った汚れでもシミにならず簡単に落とすことが可能です。
撥水加工クリーニングのデメリット
撥水加工クリーニングは、料金がかかるということ以外にもデメリットがあります。
大事な衣類をダメージや汚れから守るというメリットを考えれば、デメリットというほどではありませんが、念の為確認しておきましょう。
完全に水を防げるわけではない
撥水加工は、完全に水を弾くというイメージがあるかもしれません。
しかし、いくらプロが加工したとしても、長時間大雨を浴びたり、頻繁に洗濯をしてしまったりすると、撥水効果は低下します。
効果が低下すれば、完全に水を弾くことはできないので注意しましょう。
肌触りが悪くなることがある
撥水加工には技術や特殊な機械が必要となるため、クリーニング店によっては衣類の肌触りが悪くなることがあります。
技術が低いクリーニング店の場合、機械を使った噴霧であってもムラになることがあるため、多く吹き付けすぎると繊維が固まってしまいます。
そのため、ごわごわの肌触りになってしまうのです。
また、機械の性能が低いと、熱による成分の定着性が悪くなることで、撥水効果も弱くなるので、クリーニング店は信頼できるお店を選びましょう。
撥水加工クリーニングの持続効果について
撥水加工クリーニングの持続効果は、一般的にワンシーズンとなっています。
期間でいうと3ヵ月程度になりますが、洗濯や着用頻度によって若干の違いがあります。
特に、夏は洗濯の頻度が多くなるため、春から夏は2ヵ月ぐらいを目安にした方が良いでしょう。
また、スーツやネクタイ、ワイシャツのように着用頻度が高く、外気に触れる時間が長い衣類は季節に関係なくワンシーズンで2回から3回ほど撥水加工をしておくことをおすすめします。
撥水加工はプロのクリーニングに任せよう!
スプレーを使えば自分で撥水加工をすることはできますが、しっとりと濡れるまで吹き付けなければいけないため、衣類によっては1着に1本使い切ってしまうことがあります。
さらに、クリーニングによる加工よりは効果が低いため、1シーズンで何回もスプレーを使うことになるのでかなりのコストがかかります。
つまり、コスト面で考えても撥水スプレーはクリーニングより劣るので、撥水加工を希望する場合はプロのクリーニング店に依頼しましょう。