つけ置き洗いは、油汚れや泥汚れなど普通の洗濯では落ちない汚れが付いてしまったときに有効な洗濯方法です。
ただし、ただつけて置けば汚れが落ちるというものではなく、つけ置き時間や洗剤の量など正しい方法で行なわなくてはいけません。
ここでは、効率よく汚れを落とすつけ置き方法と注意点を解説します。
目次
つけ置き洗いにかける時間
つけ置き洗いにかける時間は、一般的には30分程度です。
つけ置きにかける時間が、長ければ長いほど汚れが落ちやすくなる、と思う方もいるかもしれません。
しかし、洗浄力や漂白力の強い洗剤液に浸けっぱなしにすると、色落ちしたり、溶け出した汚れが衣類に戻ったりしてしまうのでNGです。
一番長くて30分、汚れの度合いによっては10分程度を目安にしましょう。
この時点で汚れが残っていても、洗濯機で洗えば落ちるので、長時間つけ置きしないよう気をつけてください。
つけ置き洗いに使う洗剤について
つけ置きに使う洗剤の種類は、基本的に普段使っている洗濯用洗剤で大丈夫です。
洗濯用洗剤は、油分や糖分、土などあらゆる汚れに対応しているので、普通の汚れであればきちんと綺麗になります。
ただし、汚れの度合いはひどい場合は、汚れの種類に合わせた洗剤を使う、もしくは漂白剤を使うのがおすすめです。
特に漂白剤は、シミ汚れを落とすのに向いているので、色柄ものには酸素系漂白剤、色落ちしない素材であれば塩素系漂白剤を使うといいでしょう。
つけ置き洗いの正しい方法
つけ置き洗いと一口に言ってもいろいろな方法があります。
ここでは、基本的な方法から洗濯機を使う方法、ナチュラルクリーニングの方法を紹介します。
基本のつけ置き洗い方法
バケツなどを使った基本的なつけ置き洗いは、洗濯用洗剤(もしくは漂白剤)とバケツを用意します。
バケツにぬるま湯を入れたら、洗濯用洗剤を衣類の量に合わせて溶かし入れます。粉末用洗剤の場合は、溶け残りがないよう、しっかり混ぜてください。
洗剤が溶けたら、衣類をまんべんなく洗濯液に浸けます。
10分おきに、汚れが浮いているかをチェックし、汚れ浮きや水の変色などが目視できたら洗濯機に移して洗いましょう。
洗濯機のつけ置き洗いコースを使う
最近の洗濯機にはつけ置き洗いコースが搭載されているものもあるので、一度にたくさんの衣類をつけ置き洗いすることもできます。
洗濯機に汚れた衣類を入れて、ぬるま湯をはりましょう。
規定量の洗剤を入れたら、2回から3回ほど回して全体に洗剤が行き渡るよう攪拌します。
洗剤液が作れたら、つけ置き洗いコースをセットして洗ってください。
重曹やクエン酸を使う方法
洗剤の代わりに重曹やクエン酸を使うと、環境を汚すことなくつけ置き洗いができます。
やり方は、基本のつけ置き洗いと同じで、洗剤を重曹もしくはクエン酸に変えるだけです。
重曹は、皮脂汚れや血液のシミ落しに効果的で、消臭効果もあります。
また、シルクやウールのようなデリケートな素材でもつけ置きできるので、クリーニングに出すほど汚れていない場合、重曹を使うといいでしょう。
クエン酸は、バスタオルや厚手の衣類のニオイ落しに効果的です。
衣類の生乾きや高湿度のせいでニオイが落ちないときにクエン酸を使えば、しっかり除去できます。
また、柔軟剤のような効果もあるので、ふんわり仕上げたいタオルのつけ置きにもおすすめです。
つけ置き洗いの注意点
つけ置き洗いは、やり方を間違えると衣類やファブリックにダメージを与えてしまいます。
また、洗濯の効果も半減してしまうので、注意点を押さえておきましょう。
洗濯表示を確認する
つけ置き洗いをする前には、必ず洗濯表示を確認してください。
ほとんどの衣類は水洗いができるので問題ありませんが、デリケート素材のものなどは水洗いや漂白剤の使用ができないものもあります。
また、洗濯表示に関係なく、以下のような衣類はつけ置き洗いに向いていないので避けるようにしましょう。
- スパンコールなどの飾りがついているもの
- シルクなどのデリケートな素材のもの
- 縮んだり色落ちしたりする可能性があるもの
洗剤の量を守る
汚れというのは、洗剤をたくさん使えば落とせるというものではないので、洗剤の量はしっかり守ってください。
洗剤が多すぎると、すすぎ洗いで落し切れずに繊維に残ってしまいます。
残った洗剤はダメージを与えるので、必ず適量を入れるようにしてください。
一度にたくさんの衣類を浸けない
洗濯機であれば問題ありませんが、バケツを使ってつけ置きする場合は、一度にたくさんの衣類を浸けるのはNGです。
洗濯機でも、規定量を超えてしまうと汚れが落ちにくくなり、さらに摩擦が多くなることで傷んでしまうので気をつけましょう。
つけ置き洗いは間違ったやり方では効果なし!
つけ置き洗いをすれば、洗剤がしっかり繊維に浸透して汚れがすっきり落ちるイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし、水の温度や浸ける時間、洗剤の量などを正しく守れていないと、効果は半減してしまいます。
1回で落とせなければ、何回かつけ置きすれば良いと思うかもしれませんが、洗剤は洗濯の度に繊維にダメージを与えます。
自宅のクリーニングでは衣類を傷めてしまうこともあるので、大切なアイテムはプロのクリーニングに依頼しましょう。