寒い季節には必須のコートですが、着る度に洗うということはありませんよね。「気がついたら染みがついていた」という経験を持っている方も、多いのではないでしょうか。コートの染み抜きはクリーニングにお任せするのが一般的ですが、冬の外出には欠かせないので、すぐにクリーニングに出せないこともあるかもしれません。
染みは時間が経つと落ちにくくなるので、自分で試せる染み抜き方法を実践してみましょう。
目次
コートの染み抜きを自分でやっても大丈夫?
コートは基本的にクリーニングでキレイにするので、自分で染み抜きをするのは不安かもしれません。もちろん生地によっては自分でやらない方がよいものもありますが、今はおしゃれ着用洗剤も進化して、ほとんどの繊維に対応しているので安心して使いましょう。特に染み汚れの場合、クリーニングするまでに時間が空いてしまうと、より落としづらくなってしまい、技術が低いクリーニング店だと落としきれないこともあります。
「コートは安いものではないので、できるだけ長く着たい」という方も多いでしょう。長く着るには日々のお手入れが重要なので、自分で染み抜きができるようになっておくと、お気に入りの1着を長く着ることが可能になります。
コートの基本的な染み抜き方法
まずは、コートの基本的な染み抜き方法を覚えましょう。
<準備するもの>
・おしゃれ着用液体洗剤
・タオル
・ティッシュペーパー
まずは、ティッシュペーパーで染み部分をつまんで、汚れをティッシュに移します。次に、タオルをぬるま湯で濡らして軽く絞り、染みの部分をつまんで汚れを移します。
ある程度汚れを緩めたら、おしゃれ着用液体洗剤をタオルに数滴垂らし、力を入れずに染み部分をポンポンと叩くように拭きます。何回か繰り返して、染みが落ちたらタオルをすすいで、最後に水拭きをして洗剤を拭き取りましょう。洗剤を残らず拭き取ったら、風通しの良い場所に干して乾燥させてください。
ついたばかりの染みであれば、ほとんどの場合この方法で落とすことができます。
汚れに合わせたコートの染み抜き方法
コートの基本的な染み抜き方法を実践しても、汚れがまったく落ちない、もしくはうっすらと残ってしまうという場合は、汚れに合わせた染み抜き方法を実践してみましょう。
染みには、コーヒーや紅茶などの水溶性の染みと、チョコレートなどの油溶性の染みがあります。汚れの種類に適した染み抜きをすれば、すっきり落とせるかもしれません。
水溶性の染み抜き方法
コーヒーや紅茶、お茶、醤油などは水溶性の染みとなるので、水に溶かすことで落とせます。前述したようにおしゃれ着用液体洗剤を使ってもいいのですが、染みの状態によっては余分な成分をつけない方が落としやすいこともあります。ですので、水溶性だと分かっているシミ汚れは、まずはぬるま湯で落としてみるのがおすすめです。
やり方は、タオルをぬるま湯で濡らしたら染みの部分をポンポンと軽く叩いて、タオルにシミ汚れを移していくだけです。タオルが汚れたら取り替えるというのを、落ちるまで繰り返してください。
油溶性の染み抜き方法
チョコレートや揚げ物や炒め物、洋菓子の汚れなどは油溶性なので、水だけでは落とせません。ちょっとついただけであればおしゃれ着用液体洗剤で落とせるのですが、濃い染みの場合は繊維の中で油分が固まってしまっているので落ちません。
油系の染みは、温めてから落とすのが正解です。40℃から60℃ぐらいのお湯を染み部分にかけて、歯ブラシでトントンと叩きながら染みを落としてください。
ウールのコートの染み抜き方法
羊の毛を織って作られたウールは、保温性が高くふわふわした柔らかい肌触りが特徴ですが、型崩れしやすく非常にデリケートな一面を持っています。コートによく使用される素材ですが、管理が悪いと虫喰いもがきてしまうことも。染み抜きは慎重にしなくてはいけません。
まずは洗濯表示をチェックして、洗濯機や手洗いなど水洗いできるか確認しましょう。水洗いできるものであれば、自宅での染み抜きにも挑戦できます。
<用意するもの>
・おしゃれ着用中性洗剤
・タオル2枚
・ティッシュペーパー
まずは、染み汚れの水分をティッシュペーパーでつまんで染みこませます。次に、タオルを濡らして、おしゃれ着用中性洗剤を数滴垂らしたら、軽くもみこんで染み部分に叩いて馴染ませてください。染み部分に新しいタオルをあてたまま裏返したら、おしゃれ着用中性洗剤がついているタオルで再度優しくたたいて、シミ汚れを新しいタオルにしみこませていきます。
染みの汚れを落としたら、タオルをキレイにすすいで硬く絞り、染みの部分の洗剤を水拭きして落とします。洗剤がしっかり取り除かれたら、乾いたタオルに水分を吸収させましょう。
最後は、風通しの良い場所で乾かしてください。
コートの染みを落とすときの注意点
コートの染み抜きは、今回紹介した方法でケアが可能です。
ただし、自己流で手を加えてしまうと、縮んだりしてしまうことがあるので要注意です。普通の衣類であれば問題ないことでも、コートにはやってはいけないことがあるので注意点をチェックしておきましょう。
急激に乾燥させないこと
コートは厚みがあるので、多めの水で洗剤を拭き取ってしまうと、濡れている状態が長くなります。
そこでやってしまいがちなのが、ドライヤーなどで急激に乾燥させることです。
確かに、濡れている時間を短くすることは、コートを傷めないためには大切なのですが、無理矢理乾燥させると輪ジミができてしまうかもしれません。輪ジミになると、せっかくの染み抜きが無駄になってしまうので、絶対に使わないようにしましょう。
必ず洗濯表示を確認する
最近はプチプラのコートも増えているので、手軽に着られるものであれば普通に洗濯しても大丈夫なイメージがあるかもしれません。
しかし、コートは普通のトップスとは違う構造になっています。表地と裏地の生地が違ったり、中綿や羽毛など中に入っている素材が違ったりするので、家庭で洗濯してはいけないものもあります。
たとえ染み部分だけであっても、水で濡らしてしまうと変色したり生地の質感が失われたりすることもあるので、必ず洗濯表示を確認してから染み抜きをしてください。
自分で落とせない染みはクリーニングに出すのがベスト!
染みがついてすぐであれば、ある程度キレイにできます。しかし、時間が経ってしまった染みの場合は、どんなに丁寧に染み抜きをしても素人では満足いく仕上がりにはなりません。自分でできるのはあくまでも応急処置という考え方にしておくのが無難です。特にコートはデリケートな素材が多く、染み抜きに失敗すると生地を傷めてしまう可能性も。
染み抜きをしても落とせない場合は、無理をせずに高級クリーニング店にお任せするのが正解です。