毛皮のコートは、普通の衣類のように繊維で作られているわけではなく、名前の通り動物の毛(ファー)や皮を使っているのでとてもデリケートです。
湿度や乾燥など空気の影響も受けやすく、シミや変色が起こってしまうと自分では落とせません。
毛皮のコートは高額なので、正しいお手入れと保管方法をしっかりマスターして、いつでもベストな状態で着られるようにしておきましょう。
目次
家庭できる!日々の毛皮コートのお手入れ方法
毛皮のコートは、1回着る度にお手入れをしなくてはいけません。
普通のアウターであれば、帰宅してそのままクローゼットに仕舞っても大丈夫ですが、毛皮のコートはメンテナンスをしてから仕舞いましょう。
埃を落とす
まずは、軽く振ったり叩いたりして埃を落とします。
埃は目に見えませんが、たとえ汚れていないとしても、外出をすればいろいろな埃がつきます。
毛皮は埃の影響でも質感が変わってしまうので、必ず埃を落としてください。
風通しの良いところで湿気を取る
しっかり埃を落としたら、風通しの良いところに干して湿気を完全に取り除きます。
ただし、直射日光に当てるのは厳禁です。
肌が紫外線に当たると日焼けをするのと同じで、毛皮も日光に長時間当てていると変色してしまいます。
ですので、必ず日光に当たらないところに吊るしてください。
ブラッシングする
陰干しをしてしっかり湿気を取り除いたら、洋服ブラシを使って、毛並みに沿ってブラッシングをします。
ブラッシングは毛のもつれを防ぐと同時に、毛のツヤを出してくれます。
毛(ファー)というのは、着る度にツヤが少しずつ失われてぱさぱさになってしまうので、着る度に必ずブラッシングをすることが大切です。
毛皮のコートは洗っても良い?汚れた時の解決法
毛皮のコートは水洗いもドライクリーニングもできないので、家庭では洗うことはできません。
ですが、汚れをそのまま放置してしまうと、クリーニングに出してもシミが残るかもしれないので、応急処置としての汚れの落とし方をご紹介します。
洗剤液を作る
まずは洗剤を30℃以下のぬるめのお湯に溶かして、洗剤液を作ります。
洗剤とお湯の割合は、5mlの洗剤に対してお湯4Lを目安にしてください。
洗剤は中性洗剤でもシャンプーでもいいのですが、おしゃれ着専用のものだと安心です。
汚れた部分を拭き取り洗いする
タオルを洗剤液に浸し、固く絞りましょう。
次に、汚れている部分を毛並みとは逆の方向に拭き取る、もしくはタオルに汚れを染みこませるイメージで軽く叩きます。
ある程度汚れが取れたら、毛並みに沿って拭き取ります。
水拭きをする
新しいタオルをぬるま湯に浸し、固く絞ったら、同じように毛並みと逆に向かって洗剤を拭き取ります。
次に毛並みに沿って洗剤を拭き取りましょう。
陰干しで乾燥させる
しっかり水拭きをして洗剤を落としたら、形を整えてハンガーに吊るし、風通しがよく日光が当たらない場所に干してください。
この時、早く乾かそうとして日光に当てるのは厳禁です。
最後はブラッシングで仕上げる
毛皮のコートが乾いたら、仕舞う前にきちんとブラッシングをしましょう。
ブラッシングをすることで、水拭きで失われてしまうツヤを取り戻すことができます。
毛の流れを整えておかないと綺麗に整わないので、必ず仕上げはブラッシングをしてください。
毛皮のコートの暖かさを保つ保管方法
毛皮のコートは、きちんとお手入れをすることも大事ですが、暖かさなど機能を保つには、正しく保管しなくてはいけません。
ずさんな保管方法では、毛皮が変色や褐色してしまうだけでなく、劣化することで暖かさを維持できなくなります。
正しい保管方法もチェックしておきましょう。
専用カバーをかける
お手入れをすれば、汚れをきちんと落とせているので、そのまま仕舞っても大丈夫と思ってしまう方もいるようですが、毛皮コートには必ず専用のカバーをかけましょう。
カバーをかけないと埃がついてしまいますし、湿度の影響を受けやすくなります。
カバーは必ず毛皮専用で通気性の良いものを使ってください。
ビニールカバーは内部に湿気が溜まるリスクがあるので厳禁です。
光が当たらない場所で保管する
毛皮はクローゼットに仕舞うのが一般的ですが、ここで注意したいのが光に当たらないところに保管することです。
光は、日光だけではなく照明の光もNGです。
日光には毛皮を変色させたり傷めたりする紫外線が含まれていますし、照明の光にも反応してしまうので、クローゼットを開け締めする時に光が当たる場所には保管しないようにしてください。もし、どうしても光が当たってしまうところにしか仕舞えないようであれば、光を通さないカバーをかけましょう。
湿気と乾燥に気をつける
毛皮に湿気は良くないというのは知っている方も多いかもしれませんが、実は乾燥もよくありません。
極端に湿気が多いのも乾燥しているのも、毛皮を傷める原因になるので気をつけましょう。
ベストなのは、湿度が40%に保たれていることなので、できればクローゼットの湿度をこまめにチェックして、湿度が高い季節はエアコンのドライ機能を使う、乾燥する時期は加湿器をつけるというように空気の状態を管理しましょう。
大切な毛皮のコートのお手入れはプロに任せましょう!
毛皮のコートは、専門のクリーニング店があることからも分かるように、どんなに丁寧にメンテナンスをしても完璧なお手入れができていない可能性があります。
きちんと保管したのに、いざ着ようと思ったらシミがあったり虫喰いがあったりして着られなかったということも少なくありません。
毛皮をより良い状態に保つにはプロのメンテナンスが必要なので、まずは高級クリーニング店でクリーニングをしてもらってから、大切に保管するのがおすすめです。
衣類の保管サービスを実施している場合は、次のシーズンまでお店に預けるのも良いでしょう。
湿度をしっかり管理された場所で保管してもらえるので、衣類へのダメージもなく、安心です。